ハイパーテキスト小説への期待
          ── 井上夢人

『日本語学』1997年6月号

『99人の最終電車』の連載開始から1年が経ったころ「日本語学」という雑誌から、連載中の『99人の最終電車』について書いてくれないかという依頼がありました。この「日本語学」は、日本語の研究者、国語教育者向けの学術雑誌なのです。学術誌に書くなどということは初めてですし、そんな素養も持ち合わせていないのですが、「ま、いっか」と書いたのが「ハイパーテキスト小説への期待」でした。