馬銜 1982年秋季号
馬銜(はみ)というのは、馬の口に噛ませ、そこに繫いだ手綱を引いたり緩めたりすることで馬を制御するための道具です。その馬具の名称を持った「馬銜」という雑誌を、日本中央競馬会(JRA)が発行していました。(今も続いているのでしょうか?)
競走馬を材に取った小説で江戸川乱歩賞をいただいたことで、デビューからしばらくは馬関連のエッセイ依頼を数多く受けました。この「夜の馬」などは、受賞式よりも前(!)に依頼があったのではないかと思います。
記憶は不正確ですが、これは岡嶋二人が書いた初めての短文だったかもしれません。
岡嶋のエッセイには、やはり「馬」を取り上げたものがたくさんあります。そのすべてが徳山諄一が話してくれたこと、メモにして渡されたことに因っています。僕は彼の話を面白がって聞いていました。